消費者が買っているのはモノではないっ!

少数の法則

3分でわかる『ベネフィット』

消費者はモノではなくて価値を買う!

体験をカタチにしたのが商品だ!

あなたが、購入した商品やサービスから得られる体験価値を『ベネフィット』といいます。

『ベネフィット』とは?
    商品を購入した人が、その商品やサービスによって得られる体験価値

実は、あなたは物を買う時に、無意識の内に心の中で商品そのものでなくて、商品がもたらす価値や効果を求めているのです。

あなたは「私の求める願望が叶えられる」と感じた商品に、購買意欲を掻き立てられて行動を起こします。人に潜在的ニーズであるベネフィットを想起させることはマーケティングの重要な施策の一つです。

さて、世界的化粧品メーカー レブロンの創立者 チャールズ・レブソン(1906-1975)のことばです。

われわれは工場では化粧品を作っているが

店では希望を売っている

レブロンが多くの女性に支持された理由は、化粧品というハードを売るのではなく、化粧品を使うことによって、美しくなりたいという希望を叶えられる体験価値を提供しているからです。

レブロンは、多くのセレブに愛されたビル・ブラス(1922-2002)らファッション界のトップデザイナーからも支持され、化粧品メーカーに終わらず、『美のリーディングカンパニー』として揺るぎない地位を築きました。

お客様を吸引する ただ一つの力とは?

『吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機』でおなじみのダイソンは、ベネフィットを訴求し、抜群の顧客吸引力を発揮します。その結果、世界で最も売れている掃除機のひとつになりました。

1978年、デザインエンジニア ジェームズダイソンは、人々が紙パック式掃除機に抱く「紙パックの交換は面倒だし、紙パックが満杯になるにつれ吸引力が落ちる」という不満を解消するためのアイデアを思いつきます。

ダイソンは、自宅の物置で5,000台以上の試作機を作り試行錯誤の末、1993年にダイソンを起業し、紙パックを使わないサイクロン式掃除機を世に問います。

ダイソンは、サイクロン式掃除機を買ってもらうために、商品の下に隠れる人々のニーズを明確にし、商品の特徴や機能とともに、ベネフィットをウリにします。

機能 

吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機

ベネフィット 

紙パックよさようなら

人は、使用前と使用後の変化が大きければ大きいほど、ベネフィットを高く感じて、商品の虜になります。

使用前

「紙パックの交換って面倒。紙パックが満杯になるにつれ吸引力が落ちるのはイライラするし」 

使用後

「お部屋が今までよりもキレイな感じ!手間も時間もかからないし掃除が楽しくなっちゃった!」 

こうして人々の不満を解決したダイソンの掃除機は、高価格でも人々に受け入れられ、瞬くうちに世界で唯一無二のブランドとなりました。

人は誰しも、商品やサービスそのものを買っているわけではないのです。商品やサービスから生まれる体験価値を買っているのです。商品とはベネフィットを梱包したパッケージであるといえます。


COLUMN 鉄道のビジネスモデル
  阪急の小林一三(1873-1957)、東急の五島慶太(1882-1959)は、鉄道ビジネスに固執することなく鉄道を軸に、不動産事業を興し都市開発、さらには百貨店、スーパーなどの流通事業、劇場、映画などの文化事業を推進し、今日の鉄道経営のビジネスモデルを作りました。

人々は鉄道を利用し、沿線の施設に出かけることで、さまざまな体験ができるのです。

参考文献
 

セオドア・レビット『T.レビット マーケティング論』(ダイヤモンド社)

佐藤 義典『ドリルを売るには穴を売れ』(青春出版社) 

ジェームズ・ダイソン『逆風野郎 ダイソン成功物語 』(日経BP)