時として自分の脳に騙される!

3分でわかる『ヒューリスティック』

ヒューリスティックって、直感で起動するカンピューター⁉︎

メリットは 素早く判断 できること

『ヒューリスティック』とは、すぐに思い出せる経験則を元に無意識のうちに直感で判断する思考です。

『ヒューリスティック』とは?

自分の記憶の中に刷り込まれているステレオタイプや経験則を用いて、無意識のうちに直感で意思決定を行う脳のシステム

マーケティングの要諦は、お客様の脳内にあなたの会社の商品の存在を刻み付けて購買させることです。お客様の脳裏に「OOといえばXX社」と刷り込み、『ヒューリスティック』に働きかけることは重要な施策です。

『ヒューリスティック』の提唱者 エイモス・トヴェルスキー(1937-1996)のことばです。

自分の見たものがすべて

『ヒューリスティック』は素早く判断できる反面、“自分の見たもの(経験則)”だけで答えを導くために、自分が下した判断に騙されることがあります。これから挙げる2点の思考のクセを理解することが成功への近道です。

人はみな『レッテル貼り』で間違える

知らず知らずのうちに記憶に刷り込まれたステレオタイプで決めつける本能が『代表性ヒューリスティック』です。

代表性ヒューリスティック』とは?

直感で、世の中に流布するステレオタイプを元に『レッテル貼り』をして決めつけてしまう本能

人は、会社に対しても「あの商材を扱っているからお堅い会社に違いない」などと、先入観で捉えがちです。

ところが、ワークマンは、消費者が抱く「プロ職人ご用達の作業服の専門店」というステレオタイプを覆し、新しい価値の創出に成功します。

同社は、作業服の機能性と品質を元に、アウトドア向け衣料を販売する「WORKMAN Plus」やレディースファッションの新ブランド「#ワークマン女子」を展開し、増収増益を続けています。

人はみな記憶に頼って間違える

自分の頭の中の思い出しやすいことだけで判断する本能が『利用可能性ヒューリスティック』です。

利用可能性ヒューリスティック』とは?

直感で、自分の頭の中にあるパッと思い出せる記憶や印象に残っている事例だけで判断してしまう本能

人は、何かコトが起きると、自分が見聞きしたものの中に前例を求めます。今の時代、バブル期の成功体験を元に意思決定を下しても通用しません。

ところが、飲み会で「とりあえずビール」と最初にビールを注文するのは「集団の中で浮きたくない」という古くから根付く日本人の価値観に基づく経験値です。

大手居酒屋チェーンが展開する『1杯目のビール100円キャンペーン』は、ヒューリスティックによる判断を、うまく購買に結び付けています。

コラム 『どうせCGなんでしょ』という心理
  特撮映画の名作がリメイクされるたびに、ネットには「ただ見かけが派手だけ」「所詮はCGなんでしょ」と辛辣な意見がアップされます。人の心の中には『アナログ=手作りで温かい』、『デジタル=無機質で冷たい』というステレオタイプが刷り込まれています。だからアナログに思い入れのあるファンは、作品を観もせずに「先人への冒瀆だ」と決めつけてしまうのです。

世の中はデジタル全盛の時代です。一方でデジタルを使用したものには批判的な空気もあります。その背景には、人の心に『アナログ=手作り』という思い込みがあり、手作りのモノに高い価値を感じる感情があるからです。

参考文献
 

ダニエル・カーネマン『NOISE』(早川書房)

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)

オリヴィエ・シボニー『賢い人がなぜ決断を誤るのか?』(日経BP社)

土屋哲雄『ワークマン式 しない経営』(ダイヤモンド社)