その道の プロのことばの持つ威力

3分でわかる『権威性の法則』

人はみな 権威の意見に従いやすい

あの発言、権威の名前で信用し!  

『権威性の法則』とは、権威の意見に従いやすい人間心理のことです。

『権威性の法則』とは?
 人が持つ権威の意見に従いやすいという心理

人は理屈ではなく心で動きます。マーケティングを成功させるためには、人の心を理解することが必要です。人は、権威や肩書に弱く、自分の意思よりも世の中の有名人や成功者、医師や弁護士など専門家の意見に従いがちです。

しかも人は、発言に対して「何を言ったか?」よりも「誰が言ったか?」の「誰」という権威のネームバリューに重きを置きます。

さて、一見したところ、ごく当たり前の『株式投資で成功する心得』です。

損をしないこと、安く買うこと

ウォーレン・バフェット

ところが最後に記された『ウォーレン・バフェット』というたった1行が、投資家の態度を一変させます。

この力が、株式投資で1,000億ドルの資産を一代で築いたウォーレン・バフェット(1930-)という権威だけが持つことばの威力です。

バフェットの鶴の一声は、世界中の投資家を制し株価を大きく動かします。多くの投資家がバフェットという権威が大量取得を高らかに宣言した企業に、バフェットの名声を信じて「買い」を入れるからです。

制服の権威に人はひざまずく!

あなたには病院で血圧を測ってもらうと、家で測る時よりも「少し高いなぁ」という経験がおありでしょう。その理由は、あなたが無意識の内に医師の白衣に権威を感じて緊張する「白衣シンドローム」が起きるからです。

病院から帰宅してテレビをつければ、トクホ食品のCMで「血圧やコレステロール値が気になるあなた」と白衣姿で医師や研究開発員に扮した人気スターが呼びかけます。これは白衣を着た人物の意見に従いやすいという「権威性の法則」に基づいた演出です。

病院では白衣の権威に緊張する一方で、トクホのCMには安心を感じるのですから人の心理は複雑です。

人は、医師の白衣に限らずパイロットの制服に安心と信頼を感じ、スポーツの名門チームの選手のユニフォーム姿に憧れを抱き購買意欲へと繋がります。これが制服が人に及ぼす影響力です。

コラム 戦後2大未解決事件の共通項

帝銀事件 1948年1月26日、帝国銀行椎名町支店に東京都防疫消毒班の腕章をつけた男が訪れます。男は「進駐軍の命令です。赤痢の予防薬を飲んでください」と行員全員に薬を飲ませます。予防薬の中身は青酸カリで、12人の尊い命が奪われました。

3億円事件 1968年12月10日、府中刑務所近くでボーナスを輸送中の現金輸送車が偽装した白バイに乗ったニセ警官に「車に爆発物が仕掛けられているから退避せよ」と停車を指示されます。犯人は、僅かのスキを突いて現金3億円を奪い逃走しました。

事件の共通項は、権威への服従です。帝銀事件では、占領下の日本で絶対に抵抗が許されない進駐軍という絶対的権威と東京都の腕章、3億円事件では、警官の制服と白バイという権威です。2つの事件は人が権威に服従する心理を悪用した許せぬ犯罪です。

参考文献
 

ダニエル・カーネマン『NOISE 』(早川書房)

ロバート・B・チャルディー二『影響力の武器』(誠信書房)

松本清張『小説帝銀事件』(角川書店)