その道の “プロ”のことばの 持つ威力

マケの門

3分でわかる『権威性の法則』

人々は 権威の意見に 従いやすい   

“誰が言ったか?”の “誰”が 心を動かす!

人は“医学博士”や“弁護士”といった肩書きに権威を感じます。人は発言した人物の肩書きや経歴を見て、疑いを抱くことなく発言を正しいものとして受け取ってしまいがちです。

あなたが好意を抱く権威の言葉は、時には「これは違うよなぁ」と感じることがあっても、心にスルっと入ってきて受け入れてしまうのではないでしょうか?その理由は発言した権威の功績が説得力となり納得してしまうからです。

アメリカの社会心理学者 ロバート・B・チャルディー二(1945-)は、著書『影響力の武器』の中で、人間の無意識下で生まれる“権威のある人に従う”という心理を『権威性の法則』と定義しました。

『権威性の法則』とは?
 “権威のある人物に従う”という人の無意識下で生まれる心理

権威の発言が説得力を持つのは、権威への信頼が話した内容そのものの信頼へと変換するからです。人は、発言の中身ではなく「誰が言ったのか?」を元に判断します。あなたも私も発言の中身でなく“権威という人”に求めているのです。

さて、この4か条は、株式投資で成功する秘訣です。“誰が言ったか?”の“誰”によって、人の心は大きく動きます。

1.損をしないこと、安く買うこと

2 .群集心理に惑わされない安定した性格を持つこと

3 .株価ばかり見るのではなく事業評価をすること

4 .自分が評価できる事業分野を見つけること

            ウォーレン・バフェット

株式の経験が浅いあなたがベテラン投資家に言おうものなら「当たり前だよ」と軽くいなされてしまいます。

ところが、最後に記された『ウォーレン・バフェット』というたった1行がベテラン投資家の態度を一変させます。

この力が株式投資で1,000億ドルの資産を一代で築いた“投資の神様”ウォーレン・バフェット(1930-)という権威だけが持つことばの説得力です。

制服は 着る者と見る者の 態度を変える

人は制服に袖を通すと、制服に抱いているイメージどおりの行動をしようとします。

英雄 ナポレオンの教え
 人は纏った制服の僕(しもべ)となる

ナポレオン・ボナパルト(1769-1821)が兵の数が足りない時に、農民を兵に加えるように指示した際のことばです。このことばどおり戦闘服に身を包んだ農民は奮闘し兵士に劣らぬ活躍をしました。

制服には、制服を身に纏う者の行動を変えるだけでなく、視覚的にも人に“権威”を感じさせる力があります。トクホ食品のCMで、人気タレントが白衣姿で医師や研究開発員に扮しているのも“権威効果”を狙っているのです。

怪獣映画をリアルに見せる“白衣”の説得
日本が世界に誇る『ゴジラ』や『ガメラ』などの特撮怪獣映画。怪獣を倒すために白衣に身を包んだ科学者が活躍します。

『ゴジラ』シリーズでは志村喬(1905-1982)、平田昭彦(1927-1984)、『ガメラ』シリーズでは船越英二(1923-2007)、北原義郎(1929-)らの名優が博士を演じました。彼らの俳優としての確かな演技力と科学用語を駆使したセリフは、荒唐無稽なストーリーに有無を与えぬ説得力を与えました。

1960年代に生まれた“特撮世代”のあなたは、怪獣の生態を調べ弱点を導き怪獣を倒す兵器を開発する科学者の勇姿が記憶に残って“白衣”の権威効果が刷り込まれたのかもしれません。

人は、野球やサッカーの名門チームで活躍する選手のユニホーム姿に憧れを抱き、警察官の制服や医師の白衣に安心と信頼を感じます。これが制服が人にもたらす絶大な影響力です。

参考文献
 

ダン・アリエリー『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』(早川書房)

リチャード・セイラー『実践 行動経済学』(早川書房)

ロバート・B・チャルディー二『影響力の武器』(誠信書房)

ダニエル・カールマン『ファスト&スロー』(早川書房)