気が付けば 買ったつもりが 買わされた!?

3分でわかる『一貫性の法則』

あなたが予算オーバーした理由は、優柔不断だからではない!   

コンビニのPB商品の一貫性

『一貫性の法則』とは、“一度決めた行動を最後まで貫き通したい”という人の心に無意識に働く行動心理です。

『一貫性の法則』とは?

普段から続けている習慣や自分が決めたことを、そのまま最後まで貫きたいという行動心理

マーケティングの目的は、お客様の脳内にあなたの会社の商品の存在を刻み付けて購買させることです。そのためには、お客様に一貫性を保ったメッセージを訴求することが必要です。

企業のブランドイメージは、顧客体験を通じて年月をかけて人の心に醸成されます。コンビニエンスストアのPB商品の棚は、ロゴやパッケージデザインが統一されて一貫性を保っています。これは、お客様にブランド価値を伝えるための戦略です。

発信するメッセージやデザインが商品ごとにバラバラで一貫性を欠けば、お客様の離脱に繋がりかねません。その理由は、お客様は一貫性を自分だけでなく他者にも求めるからです。世の中で言動と行動がぶれる人物が評価されないのと同じ理屈です。

想定外!出費の理由は一貫性!?

さて、人の心には、物を買う時にも『一貫性の法則』が働きます。

家電量販店には多くのお客様が来店します。あるお客様は、店員に勧められるままに、自分が買おうと思っていたテレビよりも、高価格な上位機種を購入しました。

お客様が予算をオーバーした理由は、上位商品を勧めて売上単価アップを狙う販売手法『アップセル』がお客様の心を刺激したからです。

『アップセル』とは?

“気が付けば買ったモノは予定よりも高いモノ”

顧客が購入を考えていた商品より、上位の高額商品を勧める販売手法

さらに、お客様は「このHDDは大容量モデルです。テレビに接続して番組録画に使えますよ」という店員の一声で、予定外の外付け大容量HDDまで買ってしまいます。

お客様が高機能テレビに続いて大容量HDDを買った理由は、“組み合わせ販売”を狙って顧客単価を上げる販売手法『クロスセル』に心が動いたからです。

『クロスセル』とは?

“気が付けば予定外のモノまで買っていた”

商品の購入を決定した客に対し、関連商品を勧めて顧客単価を上げる販売手法

あなたにも買い物の後で「買った物は予定より高い物だった」という経験がおありでしょう。こうした不合理な行動を起こす理由は、一貫性がないからではありません。反対に、心の中に「買うぞ」という一本の強い芯が通っているからです。その根底にあるのが『一貫性の法則』です。

さて、人は自分の意思で買っているのでしょうか?それとも買わされているのでしょうか?


コラム 毎日、同じ顔ぶれの通勤電車
 毎日の朝の通勤。あなたは、いつも同じ時刻、同じ車両。乗るドアの位置も決めているのではないでしょうか?まわりも同じ顔ぶれです。「あの人の前に立ったら座れるな」と学習したり、たまに顔を合わさないと何だか心配になります。

あなたが、毎朝出会う通勤電車のいつもの顔ぶれもは、あなたと同じように慌ただしい朝の時間を、一貫性を保ち効率よく行動するために『一貫性の法則』を貫いているのです。

参考文献
 

ロバート・チャルディーニ『影響力の武器』(誠信書房)

ミシェル・バデリー『エッセンシャル版行動経済学』(早川書房)

リチャード・セイラー『実践 行動経済学』(日経BP社)