商圏は 顧客の心の中にある!〜商圏〜

距離だけでは測れない商圏の深い意味

お客様の商圏のイメージ

商圏とは、お客様が来店を見込める範囲であり、お客様の心に買い物の体験とともに残る場所です。

『商圏』とは?
 お客様が来店を見込める範囲であり、お客様の心に買い物の体験とともに残る場所

商圏を理解する上で、お客様の移動距離、交通の利便性、競合店の存在、地理的特性は欠かせません。しかし、従来の古典的なアプローチだけではなく、現代のお客様のニーズや感情的なつながりにスポットを当てることが重要です。

かつては店舗の売場面積と距離を基準にした理論が支配していましたが、いまやスマートフォンひとつで世界中の店にアクセスできる時代です。お客様の心には徒歩5分で行けるコンビニエンスストアから24時間いつでも欲しいものが入手できるネットショップが存在します。

体験と感情的つながり

お客様は、体験や感情的なつながりを重視します。遠くても有意義な体験を得られるなら遠くても足を運びます。

イオンモールは、イオンモールウォーキングを旗印に、館内ウォーキングを奨励しています。多くのシニア層がウォーキング目的で来店します。休憩スペースや歩行距離表示を設け、運動後に売場やフードコートに誘導し、顧客満足度と収益の両面を高めています。

お客様の心に残る場所としての店舗を育て、お客様の感情体験を高めることは、競争力を維持し、成長を達成につながります。

参考文献
 

矢作敏行『コマースの興亡史 商業倫理・流通革命・デジタル破壊 』(日本経済新聞出版)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティング・マネジメント」(丸善出版部)

フィリップ・コトラー他『フィリップ・コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則』(朝日新聞出版)