お客様の心に代替不可能な価値を築く手段
ブランドは信用と時間の積み重ね
ブランディングとは、企業が自社の製品やサービスと他との違いを、はっきりと示し、お客様の頭に残るようにするための施策です。
お客様には「知らないものは欲しくない」という感情があります。そんなお客様の心に、欲しい気持ちを作り出すのがブランディングです。
たとえば多くの人は高級牛肉の代名詞 神戸牛に惹かれるでしょう。神戸牛は「他の牛肉より高価でも食べる価値がある」と人々が認めているからブランドなのです。
しかし、誰もが知る神戸牛、松阪牛、近江牛というブランド牛は、一夜にして生まれたものではありません。長い年月と労力をかけて生産者が育て上げ、他の牛肉とは違う特別な価値を築いたのです。
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つまりブランドとは、信用と時間の積み重ねによって生み出される価値の総体といえます。
ブランドは利益を生み出す大事な資産
ブランドの語源は、自分の所有する牛を他人の牛と区別するための焼印 カーフ ブランディングです。
ブランディングの目的は、お客様に競合との違いを、はっきりと伝え、自社の存在を認知してもらうことです。
ブランドはバランスシートに載らない資本です。しかしブランドの価値は、自社の信頼感の向上の証として利益として実を結びます。
ブランドの語源であるカーフ ブランディングは昭和の名レスラー ディック・マードックの必殺技として知られています。格闘センスに長けたマードックだからこそ仕掛けられる難易度の高い荒技です。時が流れても「マードックといえばカーフ ブランディング」とファンの記憶に残るブランディングのお手本です。
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー『マーケティングマネジメント』(丸善出版部)
鈴木敏文『鈴木敏文のCX入門』(プレジデント社)
片平秀貴『パワー・ブランドの本質』(ダイヤモンド社)
石井淳蔵『ブランド 価値の創造』(岩波書店)