既存顧客は長期利益を築く源泉だ!
ビジネス成長には新規顧客の獲得が欠かせません。新規顧客獲得には広告費・営業コストなどの大きな投資が必要です。
一方、既存顧客は、すでにあなたのブランドを信頼しており、リピート購入・口コミ・紹介など、長期的な収益につながる行動を自然と取ってくれます。
実は、企業の利益の大部分を生み出しているのは既存顧客です。
企業が持続的に利益を伸ばしたいなら顧客維持に力を入れることが不可欠なのです。
新規顧客獲得コストは意外と掛かる
1対5の法則とは、新規顧客の獲得にかかるコストは、既存顧客に販売するコストの5倍に達するというマーケティングの経験則です。
新規顧客には以下のようなコストが発生します。
- 広告・SNS・SEOなどの集客コスト
- 営業・説明のためのマンパワー
- 購入までの信頼構築のプロセス
すでにブランドを理解している既存顧客はどうでしょう?
- 販売の手間が少ない
- リピート購入しやすい
- LTV(顧客生涯価値)に貢献

新規顧客だけに依存するのは非効率で、利益率が伸びにくいのです。
顧客離れを5%下げると利益率25%増
5対25の法則とは、解約・休眠・離反などの顧客離れを5%改善すると、利益が最大25%増えるというデータに基づく法則です。
マーケティングの権威フィリップ・コトラーは、『マーケティング・マネジメント』の中で、業界によっては、5%の離反改善で25〜85%もの利益増加が見込めると述べています。

顧客離れは企業にとって大きな損失です。
- 今まで投じた獲得コストが無駄になる
- 本来得られるはずだった将来の利益が消える
- リピート購入や口コミの機会が失われる
だからこそ、既存顧客に「この会社と長く付き合いたい」と思ってもらえる工夫が欠かせません。
- 購入後のフォローで「感謝」をしっかり伝える
- ニュースレター・DMなどで継続的に価値ある情報を届ける
- 記念日・節目にメッセージを送る
- 困りごとを迅速に解決できるサポート体制を整える
細やかなコミュニケーションの積み重ねが、離れないお客様=利益を支えるファンを育てます。
参考文献
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティング・マネジメント」(丸善出版部)
佐藤尚之『ファンベース』(筑摩書房)

