ファストでもスローでも働く人のワークマン
日常の判断支える直感思考
タイパ(タイムパフォーマンス)という和製英語が生まれる時代。人は情報処理に追われ、無意識のうちに直感で判断するヒューリスティックを用います。
「大阪のおばちゃんは豹柄の服」と、ステレオタイプで判断する思考が代表性ヒューリスティック。
「最近ネット詐欺のニュースが多いからネットは怖い」と、思い出しやすい情報で判断する思考が利用可能性ヒューリスティックです。
これらの思考は、思わぬ判断ミスを招くから要注意です。


2つの思考で印象変わるワークマン
経済学者 ダニエル・カーネマン(1934-2024)は、思考にはヒューリスティックを生む直感的なファストモードと論理的なスローモードがあると説きました。
作業服専門店のワークマンは、ファストモードでは『職人御用達の店』。
職人さんは、お目当ての品を素早く手に取り現場へ向かいます。
職人さんの奥様は、スローモードで「パパの作業服は頑丈で安い。ガーデニングの時、私も着られるかも」と気づきます。
ワークマンはスローモードで捉え直すと『高機能な服を低価格で売る店』。
新業態の#ワークマン女子やWORKMAN Plusは、これまでターゲットとしていなかったお客様にも「高機能で低価格」というワークマンの本質的な価値が伝わり、長期的な利益につながっています。
『ヒューリスティック』とは?
時間を掛けずに世の中のステレオタイプや自分の経験則などで直感的意思決定をする思考法
参考文献
ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)
土屋哲雄『ワークマン式 しない経営』(ダイヤモンド社)