女子プロレスラー 広田さくらに学ぶ「選ばれ続ける力」
カギは信頼の積み重ね
いまマーケティングの課題は2つあります。
あふれる選択肢の中で、お客様に「この会社から買いたい」と“指名買い”されるにはどうすればいいのか?
その答えが、共感マーケティングにあります。
共感マーケティングとは、感情に寄り添い、信頼関係を築き、愛着と利益を生む手法です。
一度きりの取引ではなく、生涯にわたるファンを増やし続けることが目的です。
- 一度きりでなく“指名買い”されること
- 一生涯のファンを獲得すること
その解決策が共感マーケティングにあります。
この本質を体現しているのが、女子プロレスラー 広田さくらのキャリアです。
フェーズ | 活動 | マーケティングの観点 |
デビュー期 | 正統派レスラーとしてスタート | プロダクト重視(4P) |
模索期 | コスプレ・コミカル路線で差別化 | ポジショニング/差別化(STP) |
中堅期 | 結婚・出産・離婚など私生活を興行化 | ストーリーテリング/感情価値 |
現在 | 政治活動に進出 | ソーシャルブランド/共感拡張 |
広田さくらの最大の強みは、「自分の人生を隠さず見せる」こと。
結婚、出産、離婚、シングルマザーとしての苦労。
それらすべてをリングの物語に変えた、究極の“透明性”がファンとの信頼を育てました。
この信頼は、プロレスというビジネスの根幹です。
対戦相手、スタッフ、観客。すべての関係者との信頼がなければ、興行そのものが成立しないからです。
人の心を動かすのは「物語」
広田さくらの哲学のベースには、師匠・長与千種から学んだ「どう魅せるか?どう物語を紡ぐか?」あります。
商品やサービスだけで、人は心を動かされません。人の心を動かすのは、共感できる「物語」と、商品に携わる「人間の真実」です。
現在、広田さくらは政治の世界に挑戦中です。
シングルマザーとしての視点と、プロレスで磨いた「伝える力」で社会課題に向き合っています。
彼女の挑戦は、「ブランドとは、単に利益を追求するだけでなく、社会的な役割を担う存在である」という共感マーケティングの最終形を示しているのです。
参考文献
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー『マーケティングマネジメント』(丸善出版部)