買った後 なぜか気になりチャットする〜認知的不協和とAI〜

 「失敗したかも」をAIに聞く時代

「せっかく買ったのに、失敗したかも、いやそんなことないわ」認知的不協和というモヤモヤは、自分の行動と本音が食い違うことで起こります。

お客様は自分の選択が正しかったと信じるために、購入後に安心できる証拠を探します。

その相談相手が、検索エンジンからAIへと変わろうとしています。

購入後のモヤモヤは検索からAIへの相談へ

電通の調査では、26.3%が「AIの薦めで商品を買った」と回答。今、その役割は「購入後」にも広がっています。

これまでは、不安になるとネット上の口コミを読み漁って安心を得ていました。しかしAI OverviewsやAIモードの普及により、行動は変わります。お客様は迷った瞬間にAIへ直接こう尋ねるからです。 「この商品、買って正解だった?」

AIはネット上の情報をまとめ、次の3点を即座に返します。

  • 客観的な評価のまとめ
  • よくある満足・不満の傾向
  • 使いこなしのコツ

AIが「多くの利用者は満足しています」と答えるだけで、お客様の不安は和らぎます。AIは購入後の心に寄り添う“判断の代弁者”になりつつあります。

AIの肯定を引き出す「情報設計」

AIがお客様に安心を与えるには、根拠となるデータが必要です。その鍵を握るのは、公式サイトの情報です。AIに正しく引用される情報の条件は2つです。

  1. 使い方の明記と構造化 良い点だけでなく、向かない使い方や注意点も書く。Q&Aや箇条書きで整理し、AIが要約しやすくしておきます。
  2. 事実の一貫性 公式サイトの内容と、SNS等の評価がズレていない。AIは派手な宣伝文句よりも、情報の一貫性を重視します。

これからのマーケティングは、売って終わりではありません。購入後にAIを通じて届く「安心感」までを見据えた、情報の整え方が問われています。

参考文献
 

恩蔵直人『マーケティングの力: 最重要概念・理論枠組み集 』(有斐閣)