なぜ「国民的愛唱歌」が生まれない?成熟社会の消費者仕分け

たいやき

ターゲットはどこ?
“消費者の人生と生活”を見える化

なぜ「国民的愛唱歌」が生まれにくいのか?

カラオケほど世代間によるジェネレーションギャップが露骨にあらわれるものはありません。でも世代を超えて、みんなが盛り上がれる曲は意外と少ないものですよね。

テレビが一家に一台のお茶の間で歌謡番組を楽しんでいた時代から、一部屋に一台になり個人の嗜好で番組を見る時代に移り、CDやヘッドホンステレオの普及を経て音楽の個別化が進み、歌謡番組がなくなり、ネット配信の時代を迎え、ますます音楽の嗜好が分散したことが、みんなが一つになり愛唱できる「国民的愛唱歌」が生まれにくくなったことが要因と言われています。

大衆から個へ

消費者を形づくる要素を俯瞰する

すべての人が口ずさめる「国民的愛唱歌」が衰退したように、成熟社会では、消費者のライフスタイルは音楽ジャンルのように多様化し、「一つの商品やサービス」が、すべての消費者のニーズを満たすことは不可能です。

 目に見えている消費者の表層だけを眺めているのではなく、性別、年齢、職業、ライフスタイル、価値観、趣味、嗜好など消費者を形づくる要素の一つ一つを眺め、一人一人異なる“消費者の人生と生活”「見える化」することが必要です。

見える化

ターゲットはどこ?

消費者を仕分け⁉︎ セグメンテーションとは

一つの商品やサービスが、すべての消費者のニーズを満たすことは不可能です。ですから消費者全員をターゲットとするのではなく「ニーズがありそうな消費者」にターゲットを定める必要があります。

消費者を構成する要素は一人一人異なります。そこで消費者を属性・性質・嗜好などで細かく分け、共通項を持ったグループに仕分けを行います。消費者をグループに仕分けすることをセグメンテーションといいます。

グループ化

セグメンテーションは、ターゲットを決めるための前奏曲です。その役割は、マーケティングの成否を左右する重要なパートを担います。

消費者の人生と生活

セグメンテーションの目的は、消費者を細かく分類・仕分けし、その中からラブソングを届けたい相手、つまりあなたの会社の商品やサービスに価値を感じて購入する確率の高い消費者層をターゲットとして見い出すことです。

ターゲッティング

消費者はどこでどんな職に就き誰と暮らしているのか?

「どこに住み、どんな仕事に就き、どんな家族と暮らしているのか?」という“消費者の人生と生活”を探る基本的カテゴリーです。

地理的変数
地方 47都道府県
都市規模 5,000人未満・50万人以上・政令指定都市など
気候 寒暖など
人口動態変数
年齢 10代・20代・30代・40代・50代・60代・70代・80代
性別 男性・女性・ほか・無回答
婚姻 既婚・未婚・離別・死別
子供の有無 子供あり・子供なし
職業 学生・会社員・会社役員・専業主婦主夫・公務員など
教育 高校・専門学校・大学・大学院、卒業・在学
年収 300万・1,000万以上
家族構成 単身・夫婦・親と同居など

消費者はどんなライフスタイルで、どのようにサービスを利用するのか?

「消費者はどんなライフスタイルと価値観を持ち、どのようにサービスを利用するのか?」という”消費者の人生と生活”を探る情緒的カテゴリーです。

心理的変数
ライフスタイル 仕事重視・趣味重視・アウトドア派・インドア派など
性格 外向的・内向的
価値観 保守的・リベラルなど
動態変数
利用頻度 ライトユーザー・ミドルユーザー・ヘビーユーザー・未利用など
選択基準 品質志向・デザイン志向・価格志向・エコ志向
利用用途 個人・家族・贈答

セグメンテーションのポイントは?

市場の成熟化と消費者のライフスタイルの多様化

かつては、性別や年代によるセグメンテーション主流でしたが、市場の成熟化と消費者のライフスタイルと嗜好の多様化が同時進行している現在は、消費者の情緒面を探る心理的変数と動態変数による消費者セグメンテーションの重要性が高まっています。

例えば「すべての女性がターゲットです!」といってもすべての女性が同じ価値観や趣味嗜好を持ち、同じ商品やサービスを求めているわけではありません。

30代と50代の女性とでは、同じメッセージを発信しても反応が異なります。バブル世代とミレニアル世代とでは、あらゆる価値観が異なります。

標準モデルの崩壊

30代女性を一括りにすることもできません。「30代女性=既婚、専業主婦、子供2人」といったひと昔前の標準モデルはもう無くなりました。

会社員、派遣社員、パートアルバイト、自営業者、会社経営者もいます。専業主婦もいれば共働きの主婦もいます。既婚者と未婚者、子供の有る無しで、願望や悩みは異なるからです。

セグメンテーションは、”より狭くより深く!”

狙うべきターゲットをより明確にするためのセグメンテーションのポイントは“より狭くより深く”です。

「30代の東京23区在住のワーキングマザー」「50代の仕事も趣味の時間も大切にしているおひとりさま女性」というように、より狭くより深く消費者を細分化しグループ化し、狙うべきターゲットを絞り込み、より明確にします。

「歌は世につれ、世は歌につれ」と言うけれど

「歌は世につれ、世は歌につれ」とは、”世の中の変化に応じて歌も変化する。歌の変化によって世の中も影響を受ける。歌は世情をよく反映しているもの”という意味ですが、今や世情を反映した歌自体が無い時代です。

あなたの会社の商品やサービスには、消費者にとってどのような価値があるのかをよく考え、あなたの会社の商品やサービスに合った切り口や条件によるセグメンテーションを行うことが、ターゲットを絞り込むための重要ポイントです。

参考資料

フィリップ・コトラー「コトラーの戦略的マーケティング―いかに市場を創造し、攻略し、支配するか 」(ダイヤモンド社)

グロービス経営大学院「グロービスMBAマーケティング改訂4版」(ダイヤモンド社)

沼上幹「わかりやすいマーケティング戦略(新版)」(有斐閣)

博報堂生活研究所編「分衆の誕生 ニューピープルをつかむ市場戦略とは」(日本経済新聞社)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です