確実で なければ心が 動かない!〜確実性効果〜

確実性効果

0と100の説得力! 確実性効果で売上を伸ばす法

0と100に惹かれる人間心理

確実性効果とは、人が確実な結果をもたらす選択肢を選ぶ心理です。

『確実性効果』とは?
人が確実な結果をもたらす選択肢を好む傾向に基づく心理

人は天気予報の降水確率が0%の場合、傘は不要だと判断し、100%の場合は傘を持参します。ところが、判断を迷わせるのが40%の降水確率です。確率が0ではないので「40%なら降られるかも」と折り畳み傘を持参する人がいます。

この行動心理は懸賞キャンペーンに対し、「当選確率は0ではないから、私は当選するかもしれない」と思うのと同様です。人は低い確率であっても希望を託し、懸賞キャンペーンに参加するために、多額の金額を費やすという不合理な行動を取ることがあります。

このように不確実な数字は判断を迷わせます。だから人は、0や100のような絶対的数値を元に、意思決定をします。

「これなら大丈夫!」の判断基準

お客様は製品やサービスを選ぶ時、0や100という確実な数字を基準にします。

ダイエット中の人はカロリー0のコーラに安心感を抱き、健康志向の人は、天然果汁100%のジュースに不純物がないと安心します。

行動経済学の権威であるダニエル・カーネマン(1934-)とエイモス・トヴェルスキー(1937-1996)が解明したバイアス 確実性効果を、販売戦略に組み込むことは収益を増加させる重要な手段になります。

コラム  敵討の成功確率
  江戸時代、主君から敵討の命令を受けたら、何年かかろうと確実に100%仇討ちを果たさない限り帰参は許されませんでした。しかもその間は無給です。

敵討に成功すれば帰参が許されるだけでなく栄誉の加増が得られ出世の道が開けます。

しかし仇討ちの成功確率は1%だったと言われています。多くの者は旅先で病死、敵討を断念して流浪の浪人生活を送りました。敵討が禁止されたのは1873(明治6)年のことです。

参考文献
 

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)