3分でわかる『確実性効果』
確実に発生しない0%と確実に発生する100%
あなたが 降水確率40%に 迷うワケ
『確実性効果』とは、人が安心で確実性の高いものに心を惹かれる心理です。
『確実性効果』とは?
人が確実性の高いものに価値を感じる心理
人は確実に発生しない0%と確実に発生する100%を起点に意思決定します。
朝、テレビで本日の降水確率0% という天気予報を見たあなたは「今日は傘はいらないな!」と安心します。もし本日の降水確率100% なら迷わず傘を持って出かけます。
ところが本日の降水確率40% だったら、あなたは「途中で降られたらイヤだな。傘を買うのはもったいないしなぁ」と迷うでしょう。この時のあなたの心が『確実性効果』の基本原理です。
ちなみに天気予報では降水確率5%未満を0%と発表しています。
あの人が『カロリー0』を選ぶワケ
お客様に、安心と確実を想起させる0と100を用いて商品をアピールすることは有効な施策です。
その理由は、無理と承知でゼロリスクを求め100%に近い満足を求めるのが人の心だからです。人は、ダイエットのためにカロリー0のコーラを選び、天然果汁100%のジュースに対し「不純物がなくヘルシーだ」と安心します。
コラム 敵討の成功確率
江戸時代、主君から敵討の命令を受けたら、何年かかろうと確実に仇討ちを果たさない限り帰参は許されませんでした。しかもその間は無給です。
敵討に成功すれば帰参が許されるだけでなく栄誉の加増が得られ出世の道が開けます。
しかし仇討ちの成功確率は1%だったと言われています。確かに逃げ隠れしている相手を捜すのは容易ではありません。返り討ちに遭う確率もあります。相手が死亡したことが証明できれば復職が許されますが多くの者は旅先で病死、敵討を断念して流浪の浪人生活を送りました。敵討が禁止されたのは1873(明治6)年のことです。