人はつい「見た目」で選び判断する!
〜ハロー効果〜

人は見た目に弱いもの。ハロー効果で、競争優位を築き収益を高める方法

外見で判断する人間心理

ハロー効果とは、バイアスの一つで、見た目や際立つ特徴だけで人物や物の価値を決めつけてしまう心理現象です。

『ハロー効果』とは?
 バイアス(認知の歪み)の一つで、人が見た目や際立つ特徴だけで人物や物の価値を決めつけてしまう心理現象。

テレビの旅番組では、「豪華なお部屋が自慢の宿」や「名物女将の心温まるサービスでリピーター急増」と、旅館の特長を際立たせて演出しています。

一点を強調することで、視聴者の目に、旅館全体が魅力的に映り「その宿に泊まってみたい」と感じさせる効果があります。

競争優位を築き収益を高める

行動経済学の権威 ダニエル・カーネマン(1934-)とエイモス・トヴェルスキー(1937-1996)が、バイアスの一つとして、つきとめたハロー効果を、販売戦略に組み込むことは、競争優位を築き収益を高める重要な手段です。

売り物には花を飾れ

商売の秘訣を説いたことわざです。商品のデザインとパッケージングは、最初の印象を大きく左右します。特に中小企業は、デザインに経営資源を投資し、お客様が最初に接する瞬間から購入後まで、あらゆる顧客接点で一貫性のあるイメージを築くことが大切です。

ハロー効果を活用し、外見や特徴を活かすことで、競争優位を築き収益アップを図ることが期待できます。

コラム 『椿三十郎』とハロー効果
 

藩の不正を暴くために立ち上がった若侍は、風貌の冴えない城代家老を疎んじ、見栄えの良い大目付を外見だけで信用します。ところが三船敏郎扮する浪人 三十郎は「人は見掛けによらねえよ。危ねえ、危ねえだぜ!ツラの冴えねえ城代家老が善玉で大目付が黒幕だっ!」と論破し若侍を一喝します。

黒澤明の名作『椿三十郎』の冒頭10分には、1920年に心理学者 エワード・L・ソーンダイクが提唱し後年、行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーがバイアスとして位置付けハロー効果のすべてが描写されています。

参考文献

ダニエル・カーネマン『NOISE 』(早川書房)

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)