人はつい「見た目」で選び判断する!

3分でわかる『ハロー効果』

人には1つの目立つ特徴だけですべてを決めつけるクセがある。

人も物も外見だけではわからない

ハロー(後光)効果とは、人が情報の8割を視覚から得るという心理に基づき、見た目や際立つ特徴だけで人物や物の価値を決めつける傾向です。

『ハロー効果』とは?
  見た目など一つの際立つ特徴だけで人物や物の価値を決め付ける心理

なんだか難しそうな理屈だねぇ。ベテラン主婦のワタシに関係あんのかね。いや待っとくれよ。こんなことわざがあるのを思い出したよ。

売り物には花を飾れ


毎日、買い物をしててこう思うよ。商品の中身が大切なのは、もちろんだけど商売の秘訣は、商品やサービスの見た目を魅力的に飾り、お客様に好印象を与えることじゃないかしら。

でも商品や人物の価値を中身より見た目だけで判断してしまうのが人の心なんだけどね。

自信たっぷりの美男子が壇上に上がったら聴衆は彼の意見に本来以上に賛同する

ダニエル・カーネマン

行動経済学の権威 ダニエル・カーネマン(1934-)は、著書『ファスト&スロー』の中で、こう書いているよ。

人の目を釘付けにするハロー効果

私は、テレビの旅番組が大好きなの。お宿自慢コーナーは、よく考えると料理や眺望など「これはっ!」という一点のポイントに絞り、その特徴を強調して上手く構成しているねぇ。

“和の匠自慢の懐石料理”とか“幻の源泉の宿“、“名物女将のおもてなし”とか大体そんなパターンね。

でも私なんかは、その演出効果で「行ってみたいなぁ」と感じるんだよ。

商売をしている人は、お宿自慢みたいに、商品の強みを一点に絞り、よいところを前面に出してアピールするといいんじゃないの。買う立場からすると商品のすべてがよく見えるから不思議だよ。

ハロー効果を、上手に活用して商品の魅力を最大限に引き出し好印象を与えれば、お客さんの財布の紐が緩むよ、きっと。

コラム 『椿三十郎』とハロー効果
 藩の不正を暴くために立ち上がった若侍は、風貌の冴えない城代家老を疎んじ、見栄えの良い大目付を見た目だけで信用します。ところが三船敏郎扮する浪人 三十郎は「人は見掛けによらねえよ。危ねえ、危ねえだぜ!ツラの冴えねえ城代家老が善玉で大目付が黒幕だっ!」と論破し若侍を一喝します。

黒澤明の名作『椿三十郎』の冒頭10分には『ハロー効果』のすべてが描写されています。

参考文献

ダニエル・カーネマン『NOISE 』(早川書房)

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)