あと1点 揺れる思いで ついポチり〜希少性の原理〜

希少性の原理


希少性の原理を活用して売上を増やす方法

市場の需給バランスと人間心理

希少性の原理は、人が入手困難なものや限られた数しか存在しないものに価値を感じる心理です。

『希少性の原理 』とは?

人が入手困難なものや限られた数しか存在しないものに価値を感じる心理

市場では需要のあるところに供給があります。問題は需給バランスです。希少性の高い商品は、それだけで価値が高まり、それに伴い需要も高まります。

希少性の原理は、消費者心理を惹き付け、購買意欲を高める効果的な販売戦略の基盤になります。

あなたには、ネットショッピングで「残りあと1点」と表示された商品に触発され、購入した経験がおありでしょう。人は、商品の数が少ないか、少なくなりつつあるなら、それだけで価値を感じるのです。

希少性をアピールして売上アップ

行動経済学や社会心理学の研究が、つきとめた希少性の原理を、販売戦略に組み込めば競争優位を築き、収益を高める一助となります。希少性の原理を活かすには、3つのアプローチが効果的です。

希少性を活かして売上を増やす法

1.需給バランスの調整

商品の生産と供給量を意図的に抑え、希少性を演出することで、消費者に独自性や特別感を訴求できます。希少性ゆえに商品への関心が高まり、需要が増加する可能性があります。

2.プレミアム感の演出

プレミアム感を演出する限定版商品や独自のコレクションを展開することも有効な戦術です。この戦術でブランドの独自性や付加価値が高まり、市場での競争力を向上させることが期待できます。

3.限定キャンペーン

数量限定や期間限定のキャンペーンやセールは効果的な戦術です。限られた時間内に特別な価格や特典を提供することで、消費者は急いで購買を決断しやすくなります。期間を設定することで、商品やサービスに対する一時的な希少性を強調し、購買意欲を刺激できます。

この中でも、制限を設ける限定キャンペーンは、効果的な販売手法です。時間や数量の制限を設けることで、お客様の心に、商品が飛ぶように売れる光景が想像され、急いで買い溜めしなければという心理が働くからです。

「いつでも100円」と「今だけ!!100円」、または「おひとり様何点でもOK」と「おひとり様4点限り!」といった表現の違いが、商品の売れ行きに大きな影響を与えます。

中小企業にとっては、需要と供給のバランスを意識し、希少性を演出することは大きな意義があります。

また、希少性は、数量や時間だけではありません。規模や業種を問わず企業は、お客様の嗜好や欲求に合わせた商品やサービスを提供し、独自の体験を希少価値として打ち出すことが競争力を維持し成長する要素となります。

コラム  どうなる?トリュフの希少性

2023年2月、国内で初めてトリュフの人工栽培に成功した報道が話題になりました。トリュフはフォワグラと並ぶ世界三大珍味です。人々が世界三大珍味に魅了されるのは、それらが希少であると認識され、手に入れたいという欲求が高まるです。

もし、トリュフの人工栽培が成功した場合、将来的に供給が増える可能性があり、その結果、希少性が低下するかもしれません。

参考文献

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)

ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器』(誠信書房)