結局は あなたも私も 多数派になびく!

マケの門

3分でわかる『社会的証明の原理』 

気が付けば 世間の時流に 乗っていた

ランキング みんなと一緒の安心感!

日本人は、昔から他者に従いやすい国民性を持っています。このことは過去の歴史が証明しています。

司馬遼太郎の日本人観
  日本人は均一性を欲する。大多数がやっていることが神聖であり、 同時に脅迫である。

作家 司馬遼太郎(1923-1996)は、日本人の文化の源流を探る自らライフワーク『街道を行く』の中で、江戸時代、稲には不向きな陸奥に於いても多数の藩が行なっている米を栽培せざるを得ず、米を作らなければ世の中から隔絶されかねない空気を、日本特有の均一化、画一化による没個性化の弊害の一例として綴っています。

現代でも就活中の学生は『2万人の就活生が選ぶ人気企業ランキング』に注目し、人生の最期を迎えるために終活の準備を始めたシニアは『シニアに優しいマンションランキング』が気になります。

ランキングや批評サイトの星の数は社会の大多数の人々が下した判断そのものだからです。“おいしい店か?まずいか店か?”は、自分の舌で判断すればよいのですが、自分の判断に自信が持てない時には、つい飲食店の批評サイトを覗いてしまいます。

人々が世の中の多数派が下した結果に同調する行動心理が、アメリカの社会心理学者 ロバート・B・チャルディー二(1945-)が著書『影響力の武器』の中で説いた『社会的証明の原理』です。

『社会的証明の原理』とは?
 世の中の多数派が下した結果に同調する行動心理

Amazonのランキング上位商品や食べログの星の数は、世の中の多数派が下した結果です。これらは、みんなからの支持を集めている人気の証明であるといえましょう。

行列は 人気を示すバロメーター!

新年1月5日の初競りでは『すしざんまい』のマグロの落札価格が話題になります。

マグロ大王は落札価格の大きな価値を知っている!
 2019年初セリ 史上最高の落札価格 3億3,360万円

「マグロ大王」こと社長の木村清社長(1952-)が初競りで一喜一憂する姿は、新聞やテレビで報道され、ネットでも大きな話題となり『すしざんまい』の店舗には開店前から長い行列ができます。さらに行列で賑わう様子が報道され、行列にますます拍車が掛かります。『すしざんまい』の億単位の落札額の話題性に惹かれて行列に並ぶ人々の姿は『社会的証明』の象徴といえましょう。

人はみな ”売れ筋1位“に安堵する!

人は、商品を選ぶ時に、大勢の人に評価されている商品に安心感を抱きます。みんなが買っているという“事実”に依存することで、心を軽くしたいのです。

売れ筋 第一位!

この一行は、購入を迷う人に対しては訴求効果があり、すでに購入した人には「自分の選択は正しかった」という安心感を与えます。

映画監督 小津安二郎の教え
なんでもないことは流行に従う。重大なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う

偉大な先人の教えです。小津安二郎(1903-1963)は日常はみんなに合わせて世の中の流行に従い、芸術には一切妥協せず自分の信念に従い『東京物語』や『秋刀魚の味』などの映画史に残る名作を生んだのです。“みんなに自分を合わせること”を重んじる日本人の国民性を踏まえると『社会的証明の原理』に働きかける販売戦略は、有効なマーケティングの施策であるといえましょう。

参考文献
 

ダン・アリエリー『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』(早川書房)

リチャード・セイラー『実践 行動経済学』(早川書房)

リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』(早川書房)

オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(岩波書店)

中野信子『脳はどこまでコントロールできるか?』 (ベストセラーズ)