人はみな 言い方一つで 態度が変わる!

マケの門

3分でわかるフレーミング効果

考えて見れば 同じことなのに⁉︎

プロでさえ ことば一つで 心が揺れる!

あなたが、もし肺ガンを宣告され手術をする前に「手術手術1か月後の死亡率は10%です」と言われるのと「手術1か月後の生存率は90%です」と言われるのでは、どちらかが安心でしょうか?

ことばの意味することは同じです。人の心は、同じ意味を持つ情報であってもどこを強調するかによって大きく印象が変わります。この心理を絵画のフレームに例えて『フレーミング効果』といいます。

『フレーミング効果』とは?

物事の本質が同じでも、どこを強調するかによって人の印象が変わり意思決定に大きな影響を及ぼす心理

世の中にリスクを伴わない手術はありません。手術を受ける患者と家族は不安でいっぱいです。では手術の執刀を行う医師はリスクをどう感じるのでしょうか?

『私、失敗しないので』
『私、失敗しないので』の決めゼリフでおなじみの米倉涼子扮する大門未知子がリスクをいとわず難手術を成功させて患者を救う『ドクターX~外科医・大門未知子~』は高視聴率を誇ります。女性医師が活躍するドラマは王道ジャンルです。

行動経済学の第一人者 ダニエル・カーネマン(1934-)とエイモス・トヴェルスキー(1937-1996)は、医師をAとBの2つのグループに分け、各グループに選択肢の意味は同じでも異なる表現の情報を提示して、肺ガンの治療を行う際に、手術と放射線治療のどちらの治療法を選択するかを実験しました。

大門未知子なら、迷わず「私、失敗しないので」と手術を選択するでしょうが、現実世界での医師はどうでしょうか?

Aグループ 

“術後1か月の生存率が90%の手術”と“放射線治療”

Bグループ  

 ”術後1か月の死亡率が10%の手術”と“放射線治療”

Aグループ、Bグループとも条件の意味することは同じです。実験の結果、生存率に基づいた情報を与えられたAグループの医師は84%が“手術”を選択しました。ところが死亡率に基づいた情報を与えられたBグループの医師は50%が“手術”を選択し、残り半分の50%の医師が“放射線治療”を選択しました。

実験であるとはいえ、冷静沈着を信条とする医療のプロでさえも“死亡率”というネガディブなことばに感情が揺れるのです。

誰もみな 得することは 見逃さない!

さて「死亡率」の次は「脂肪率」です。「脂肪率」も表記一つで人の反応は変化します。

ヨーグルトは、気軽に腸内環境を整えることができる食品として人気です。ダイエット食品としても注目されています。

「90%無脂肪」のヨーグルト「脂肪含有率10%」のヨーグルトならば「90%無脂肪」のヨーグルトの方がダイエット効果がありそうです。このように表現一つで大きく印象が変わります。

『脂肪含有率10%』

「えっ、脂肪が入っているの?」

『90%無脂肪』

「あっ、これならダイエット効果がありそうね!」

ダイエット中でも、食欲には勝てません。折しもコンビニエンスストアでは、おにぎりと菓子パンのセール中です。『120円のおにぎり&菓子パン全品20%引き』『“いつものおにぎり&菓子パン”全品100円セール!』では、あなたの反応は異なります。

『120円のおにぎり&菓子パン全品20ー%引き』

「ん⁉︎20%引きっていくらだろう?」

『“いつものおにぎり&菓子パン”全品100円セール!』

「あっ、いつものヤツが100円か!おトクだな!」

実際は120円のおにぎりを買うならば『120円のおにぎり&菓子パン全品20%引き』の方が安いのですが、あなたの心は「割引率」よりも具体的な「金額」に惹かれます。

売る側のお店も、同じ金額でも「20%引き」と「100円セール」では、売れ行きが大きく変わります。「割引率」から「金額」に参照点を移動するだけで消費者の心理に影響を及ぼします。

事実、コンビニ業界の最大手のセブンイレブンでは、定期的に『おにぎり100円セール』を開催しています。

言い方ひとつで相手に与える印象が大きく変わり人々の購買意思決定に影響を与える『フレーミング効果』は、マーケティングに広く活用されています。

参考文献
 

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)