人は、自分の最大の関心事だけに振り向く!『カクテルパーティー効果』の力で心を突き刺せ!

なぜ人は興味のあることだけが聞こえるのか?

脳の不思議なメカニズム

あなたは、大勢の人が談笑をしている賑やかな居酒屋で、近くのテーブルから「自分が興味を持っている話題」や「自分の名前」が聞こえて来て、思わず耳をそばだてた経験があるのではないでしょうか?

人は、自分が興味のあることに、無意識の内に注意を向ける能力を持っています。だからパーティー会場の喧騒の中でも、自分が興味を持っている情報だけは、耳に入るのです。この心理現象を『カクテルパーティー効果』といいます。

カクテルパーティー効果

騒がしい場所でも「自分に関係ある情報」には無意識に注目する心理現象

「あっ、私のことだ!」

2021年4月2日、政府が教育や子育て政策を一元化して対応する「こども庁」の創設を検討しているという報道がありました。“こども庁創設”のニュースを耳にしたあなたは、我が子の将来を案じ「なぜウチの子は勉強しないんだろう?いっそ塾にでも通わせようか?」と考えます。

そんな折りもおり、こんな見出しが封筒に書かれたDMが、学習塾から届きます。

勉強嫌いのお子様をお持ちの保護者の方へ!

思わず「私のことだ」と反応してしまうのではないでしょうか?ターゲットを特定して呼びかけると、人はいやがおうでも反応します。

人は、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・ネット・DMを問わず、自分に関係あると感じると、自然にその広告に目を向けます。

その理由は、脳は、すべての情報をインプットし、処理することには限界があるので、必要な情報を自動的に仕分けして取り込んでいるからです。この心理現象を、心理学用語で「選択的知覚」といいます。

選択的知覚とは

氾濫する情報の中で、自分にとって興味や重要度の高い情報が、脳の働きにより自動的に選択され認識される

人は、自分の最大の関心事だけに振り向く

『カクテルパーティー効果』の役割とは?

『カクテルパーティ効果』は、ターゲットに「これは私に必要な商品なのだ」と認識してもらうための役割を担います。ターゲットを商品に惹きつけるためのチラシやバナー広告のキャッチコピーに広く用いられています。

ターゲットが振り向くキャッチコピー3パターン

2021年2月15日、日経平均は30年半ぶりに30,000円台を回復し、株式投資がブームです。ここでは、『カクテルパーティー効果』を用いて株式投資に興味を抱く人々が反応してしまうキャッチコピーを考えてみましょう。

1.ターゲットは誰もが知りたい最大の関心事に振り向く

あなたが株式投資に失敗する3つの理由とは?

株式投資は、「安い時に買って高い時に売る」という実にシンプルな原理です。しかし現実は、値上がりすると思えば下がり、下がると思えば上がり、株式投資で成功するのは容易ではありません。暴落の局面では思わず、誰もがこのフレーズに振り向いてしまいます。

2.ターゲットは世代など属性を絞り込んだ訴求に振り向く

30代のサラリーマンのための3万円から始められるバリュー株投資法

「株式投資を始めたいけれど、まとまった資金が無ければ投資できないのでは」と考える人々に、年代、職業などの属性で絞り込んでアプローチし「私でもできそうだ!」と振り向かせるフレーズです。

3.ターゲットは焦りや不安を感じていることに振り向く

日経平均3万円超えに「乗り遅れた」と思うあなたが今すぐ取るべき3つの行動

株式に興味はあるけれど躊躇している内に値上がりしてしまい焦るものの「ここから買うのは恐い」という人も多くいるはずです。これらの人々に「チャンスはまだある」と振り向かせるフレーズです。

誰もが興味を持つ関心事、属性の絞り込み、焦りや不安などの心理に迫るこれらのアプローチは、古くから用いられ、今もなお効果が衰えない人間心理に訴えた”王道セオリー”です。

ターゲットである人間を理解する

『カクテルパーティ効果』は、マーケティング戦略の入り口です。人々の注意を惹き付けて購買に結び付けるには、ターゲットの関心事、悩み、状況などを分析して理解した上で、マーケティング戦略を立てていくことが重要です。

参考資料
 

中村和正『[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61 』(エムディエヌコーポレーション)