草月会館 赤坂7丁目

60年代、日本のアートの発信地

赤坂の草月会館は、「いけばな 草月流」の総本部です。1958年に建てられた草月会館は、1977年に丹下健三(1913-2005)の設計により建て替えられました。今もなお初代家元 勅使河原蒼風、3代目家元 勅使河原宏(1927-2001)の“世界に向けたアートの発信地”にするという精神が受け継がれています。

1958年に勅使河原宏は「草月アートセンター」を設立し、ディレクターとして60年代の日本の前衛芸術・文化を牽引し、現代音楽、映画、アニメーション、演劇など幅広いジャンルのアートを開花させました。

勅使河原宏は、1964年の映画『砂の女』で日本人としては初めてアカデミー賞監督賞にノミネートされました。世界的音楽家 武満徹(1930-1996)は、草月会館のスタジオに籠り、日本映画界の巨匠 小林正樹(1916-1996)の大作映画『怪談』(1964年)で和楽器とテクノロジーを融合させた音楽のみならず映画全体の音響を設計します。

また「草月アートセンター」は、ポスターや機関誌の制作・編集を通じて、粟津潔(1929-2009)横尾忠則(1936-)、和田誠(1936-2019)などのグラフィックデザインの才能を輩出しました。

草月会館に足を踏み入れると、勅使河原蒼風・宏父子と深い交流を持つ20世紀を代表するアーティスト イサム・ノグチ(1904-1988)が、晩年に手掛けた石庭“花と石と水の広場『天国』”が、訪れる者を迎えます。

草月会館は、草月流いけばなの展示空間を柱に、展覧会、ライヴ、パフォーマンスなど、さまざまなジャンルのアーティストが、作品を発表し続けている“場”となっています。

参考資料

いけばな草月流ホームページ

小笠原清、梶山弘子『映画監督小林正樹』(岩波書店)

友田義行『戦後前衛映画と文学: 安部公房×勅使河原宏』(人文書院)